岐阜県出身の中央官僚だった江崎禎英さんが、書いた本。めっちゃ面白かった!

読みやすく、サクサクいける。専門家の専門書ではなく、官僚の人が書いた本。イメージとしては“官僚の人って本書くの?”だ。官僚を退職して、コメンテーターやっている人や本を書いている人はいても、現役の官僚で本を書いている人、しかも“今のままでは船が沈むことだけは間違いありません”と書いてあるのは“普通じゃない”。けど、そんな〈常識〉なんて、この人には関係ない。

それよりも、
物事にはタイミングが大切です。中略。どんな問題でも「今しかない!」という瞬間があります。それを逃すと、流れを変えることは難しくなります。大切なのは、「普通の感覚」です。色々と事情はあるし経緯はあるかもしれないけれど「おかしいことはおかしい」と言える感性を持ち続けることです。日々の生活の中で感じた「おかしい」を、具体的に行動に移すか、「仕方がない」と言って見逃してしまうか、その差はほんのわずかなのです。p215


「今しかない!」


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この本は、現在の日本の大きな課題である「国民皆保険制度」や「介護保険制度」などの「社会保障制度」に現役の官僚として正面から問題提起したところから、現在の経済産業省に入省して〈社会は変えられる!〉を官僚として実践してきたこと、その過程での上司や他省庁との交渉、岐阜県庁に出向してリーマンショックや東日本大震災での他に先駆けての取り組み、知事に褒められたことなど。読んでいて、ワクワクするし、こんな人が岐阜県出身で官僚でいたんだ!という驚きもあったり、ときに、読んでいてグッとこみあげる場面があるなど、なかなか面白かったです。

また「生涯現役社会」に関する提言など、個人的に注目している分野に関する記述が随所にあるのも、ワクワクしながら読めたポイントかな。

はじめは、対立もするけれど、そのあとでみんながハッピーになることを江崎さんは全力でやってきた。そんなことが、この本を読んでいると感じます。


ちなみに、信憑性が微妙な記述もあったりする。それでも、現状突破感はハンパない笑。





社会は変えられる: 世界が憧れる日本へ
社会は変えられる: 世界が憧れる日本へ
江崎禎英
2018-06-25

※Kindleもあります。