白川町にある【黒川】が、どんなところなのかを紹介した記事がネットになかったので、ならば黒川のことならボクが書かなきゃ!と、気合い入れて書きます。これを読めば、きっと『黒川』について、知ったつもりになれるはず。

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(白川5より)

1.【川が黒いから黒川】
黒川の名前の由来は「川が黒いから」というのが、子どもの頃から聞いてきた名前の由来。土壌の成分によるものらしいけど、山をひとつ抜ければ、そこは“白い川”と書いて「白川」なので不思議なもの。ちなみに、住所が「白川町の黒川」だと不思議がられるのですが、昔、黒川村が、昭和の大合併の際に白川町と合併したため「白川町黒川」となっています。余談ですが、住所を覚えるの楽です(笑)



2.【360℃を山に囲まれた田舎】
周囲を見渡せば、山。1000m級の山々〈二ッ森、箱岩山、お山様(宮山)etc.〉に囲まれています。そもそも黒川の市街地は標高400mと東京タワーを軽く抜いています。冬になれば雪は降るものの、今年の最大積雪は10㎝~20㎝程(標高に応じて変化あり)と意外と雪が少ないのがこの地域の特徴です。その分、真冬は-10℃にもなるのでタイヤのスタッドレスは必至です。

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(お山様から見た黒川)

3.【主産業は茶・木工・建築】
白川町といえば『白川茶』。黒川の茶園で有名処は「白川園」と「ますぶち園」。白川町内の茶園でも特に有名。「白川茶といえば○○園?」返ってくる答えは二人に一人どちらかの名前が出る。白川園といえば、ペットボトルのお茶が有名ですよね?他にも「茶っぷす」って言う、ポテトチップスも有名ですよね。ますぶち園は、自社の広大な茶園で生産した美味しいお茶が自慢です。黒川は「お茶」の他にも「木工」をやっているところが多い。実は僕の実家も『木工所』でして、幼い頃は日本中どこでもこんな感じなのかなぁと思ってましたが、実際、他の地域には木工所なんて、ほとんどないんですね。歩けば木工所や製材・加工所にあたるのが黒川です。また、建築関係の会社も多くあります。周りのおじさんの3人に1人。いや、それ以上に、木工、建築、林業関係者でした。

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(ますぶち園)

4.【世界的に有名な『辻オルガン』があった】
黒川には世界のパイプオルガンを製作、修理してきた辻宏氏のオルガン工房がありました。1976年にかつて小学校だった校舎を利用して「辻オルガン工房」を設立。イタリアのピストイア市にあった歴史的なパイプオルガンの修復に携わりピストイア市の名誉市民に。その後、白川町とピストイア市が互いに交流するようになり、白川町は「音楽のまち」として発信するようになりました。また、辻氏の縁で辻オルガンには、皇后様はじめ皇族方が訪れたことがあります。近くの黒川中学校にはパイプオルガンが設置され、校舎もイタリアンチックなオレンジ色の屋根の建物になっています。



5.【山奥の田舎だけど、実は生活に必要なものが買えるお店は一通りそろっていた(過去形)】
黒川は意外に都会でした。昔から幹線道路(街道)や鉄道が身近にない割には、ほどよく平地があり主要産業の農業やモノづくりができたため、秘境並みの田舎ですが生活に必要なものは「黒川の中」で手に入れることができました。車のない時代。いや、車があっても、家のじいちゃんはクルマを持っていなかった。いま考えると不思議だけど、じいちゃんとばあちゃんは、クルマがなくても、黒川で生活していけたというのは、それだけ何でもあったということ。

いろんなお店がある。(あった)
→和菓子屋×2件、寿司屋×2件、ガソスタ×2件、車屋×2件、喫茶店×2件。他に、床屋、スーパー、服屋、ホームセンター、薬屋(今年閉店)、カラオケ(昨年閉店)、スナック(まだやってる?)、豆腐屋(数年前に廃業)、米屋、化粧品屋、家電屋、旅館、医院、歯医者、焼肉屋、居酒屋だってある。僕が子供の頃は、お店もっとあったよ。いまは、グッと少なくなっちゃったけど。保育園、小学校、中学校も1つづつ。農協、郵便局もある。ある意味、ここはひとつの村としてやってきたし、やってこれた。自営業の人が多いんだよ。多かった。



6.【歌舞伎小屋『東座』が現存して、いまでも歌舞伎公演が行われる!】
黒川には町内唯一の芝居小屋【東座】があります。かつて、この地域には多くの芝居小屋がありました。いまでは隣の中津川市に何ヵ所か残っていますが、町内にはここだけ。明治時代に地元の人たちにより建てられ、時代の流れと共に一度は使われなくなった芝居小屋を復活させ、いまに至ります。毎年、地元の小学6年生による「子ども歌舞伎」や有志による「地歌舞伎公演」が開催されます。小学生は勿論、歌舞伎を演じて経験し、中学生になっても文化祭を東座で開催し、地域の人たちの前で、歌舞伎を演じます。また、名誉館主には中村勘九郎氏が一昨年に就任し今年の5月27日(水)には東座で公演が予定されています。

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東座は地元の地歌舞伎と伝統を愛する人たちにより運営されています。この、歌舞伎小屋とそれを守り受け継ぐ人たちの想いは、黒川の宝の1つだと自負しております。

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7.【お祭りが盛大である】
黒川のお祭りといえば、4月の第3日曜日に開催される『佐久良太神社例大祭』です。佐久良太神社は黒川の氏神であります。黒川の人たちを人知を超えたところで守り、まとめているこの地域の中心的な神社のお祭りであります。お祭りは、黒川を東西南北の4つの地区に分け、毎年持ち回りで、祭りを受け持ち、受け持ちの地区は踊り子や飾り車を準備して半日かけて神社に向けて練り歩きます。また、4つの地区ごとに中学生がみこしをつくり、当日は地区ごとの小中学生が担ぎながら、黒川の家々をまわります。昼食は「黒川のふれあいセンター」に集まり担当の地区のお母さんたちが用意してくれたご飯を食べ、食後にメイン通りを順に進みながら、昼の1時すぎに皆が佐久良太神社の境内前の鳥居前に集合して順番に境内をまわります。神輿の数は子ども神輿4基、女子中学生の花神輿1基、24歳の厄年の神輿1基、消防団の有志の神輿1基の計6基。ボクが小学生の頃は、小中学生ごとに1基あったから、さらに、4基あった。これだけ、ガッツリ地域全体でお祭りやっていることは素敵で自慢できることだと思う。

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(昨年の厄年のメンバーです)

8.【地道にホンキで地域の活動をしている人たちがいる】
黒川には、想いを持って地域の活動を永く地道にされている方がたくさんいます。『黒川トレッキングクラブ』や『NPO法人むらざと』、『黒川箱岩太鼓』、『東座歌舞伎保存会』、『商工会青年部黒川支部』etc.他にも、たくさんの団体がありますが、さらっとご紹介。

『黒川トレッキングクラブ』…黒川の伊藤昭久さんを中心とした山が好きな人が集まった団体。ただ、山登りをしているのではなく、自然に配慮した登山道を整備したり、地元の子どもたちの山登りのイベントを案内したり、他にも活動のは幅広い。毎年、1月1日には黒川から登れる1223mの『二ッ森山』で初日の出をみるトレッキングを行っている。年によっては、大雪のためスコップを担ぎ、普段の倍もの時間を使いながらも登頂していたりする。山と自然とこの地域を愛する素敵な方々であります。

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『NPO法人むらざと』…黒川の古田義巳さんを中心に3月~11月の間、毎月第4日曜日に『佐久田神社』(さっきのは、佐久良太神社)で、朝市を主に開催している団体。他にも、無農薬野菜の生産や販売、田植えや稲刈りなどのイベントを開催して、田舎と都会の架け橋になる活動をされています。NPOの設立は今から15年前の2000年。ボクがまだ小学生の頃から、家の実家の佐久田神社で朝市をされていて、地域の人たちや都会からわざわざここにやって来る人たちがいました。最近は、以前に増して訪れる人が増えたような印象があって、ずっと続けてほしい、イベントであり団体です。

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『黒川箱岩太鼓』…黒川の榊間博幸さんを中心とした黒川箱岩太鼓。箱岩というのは、黒川にある山の名前。黒川の子どもは、小学生のときにやりたい子が、榊間さんの指導を受けながら太鼓を叩き、また、中学生になると1年生は「黒川ふるさと夏祭り」や文化祭で太鼓を演奏します。体全身で感じる太鼓の響きは素晴らしく、そして、黒川や白川のイベント行事には欠かせない。貴重な存在であります。



9.【近年、農業をしに移住してくる人が多くいる】
ここんところ、実は詳しく知らないんですが、白川町内特に佐見地区と黒川地区(ともに、町の端の田舎)には、都会から農業をしに移住してくるイケてる人たちが多いらしい。しかも、30代の方がメインだと言うことで、注目してます。


10.【冬のイルミネーションがヤバい】
クリスマス前後の黒川のバイパスを走っていると突如光の楽園が出現します!ヤバい。あたりは、民家も少なく、外灯かちょろり立っているだけなのに、そこだけ異空間。開催しているのは地元黒川の「商工会青年部黒川支部」のみなさん。黒川を盛り上げようと、いろんなことを企てて活動されています。3月7日(土)の夜は東座で落語公演会が開催されますがこれも、黒川支部の主催です。

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黒川の人口は、長きにわたり減り続け、いまでは人口約2000人。この2000人の人のなかにはいろんな人がいて、いろんな状況や立場、年齢。いろいろあるけど、やっぱ、結論としては『黒川いいよね』と、ただそう言いたかっただけですが、最後まで、読んでいただきありがとうございます。

他にも、黒川の歴史や風土、気質なんていうのも、個人的にもっと探っていけたらいいなぁと思うほどに、ここは面白くて深い場所です。

これからも、面白く素敵な地域であるように、ボクも関わりながら、ここに暮らし続けていきたいなぁと思っております。



◆必要な訂正、追加ヶ所にはお声をかけてください。誰かの何かの黒川についての参考になれば嬉しいです。また、改めて、黒川の魅力をまとめ伝えられることをしたいので、その際はお願いします。


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