月イチ映画館で歌舞伎が観られる!『シネマ歌舞伎』今回は名古屋市のミッドランドスクエアシネマで公開中の【スーパー歌舞伎 ヤマトタケル】を鑑賞してきました。

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1986年に初演されたスーパー歌舞伎の第1弾『ヤマトタケル』3S(スピード、スペクタクル、ストーリー)を掲げ、難しいと言われた歌舞伎のイメージを覆す作品。スーパー歌舞伎は“歌舞伎ではない”と言われることもあるようですが、そもそも歌舞伎は、古典芸能にあらず。かつては時代の最先端を行き“かぶく”という言葉が語源のように、思いっきり逸脱して、洗礼され残されたのがいまのカタチ。今後もその挑戦を続けることが、歌舞伎にとって大切で、伝統を守り続けているだけでは、残らない。。。

先日まで新橋で公演されていたスーパー歌舞伎の『ワンピース』こちらの主演、演出も、今回上映中の『ヤマトタケル』の主演も4代目市川猿之介さん。

はじめてスーパー歌舞伎みたけれど、これまでの歌舞伎とスタンスが違うので、歌舞伎っぽいけれども…。みたいな、感想を持ちつつも、出演者多彩で、ミュージカル(そもそも歌舞伎は日本発祥のミュージカル)のようなもので、歌舞伎をはじめて観る人にはわかりやすくて良いかなと。ただ、いかんせん公演(上演)時間4時間の長編大作のため、出演者はもちろん、みているほうも途中2回の休憩を挟みずーっと『ヤマトタケル』なので、疲れちゃう(笑)

【ヤマトタケル】は言わずと知れた古代日本のヒーロー。古事記や日本書紀などに登場する神話の世界で、天皇の子として生まれるも、兄殺しの罪で東西の荒ぶる神を沈める旅をして、最後は岐阜と滋賀の県境にある伊吹山での戦いで、命は助かるも病にかかり都に帰る前に亡くなってしまう。

シネマ歌舞伎【ヤマトタケル】で一番良かったのは、4時間みてからのカーテンコール。ミュージカルなら劇団四季とかでよくあるカーテンコールも歌舞伎はないので、4時間やりきった役者とそれをたたえる観客のスタンディングオベーション、映画館なので360°拍手が鳴り響いているようでした。

歌舞伎の舞台は、なかなか近くで観れなかったり、近くに行けばいくほど金額が高くなるものですが、シネマ歌舞伎は、アングルもよく、表情の動きもとてもよくわかるので、歌舞伎を撮影して上映しているだけだろうとは言わずに、シネマ歌舞伎だからこそ味わえる『歌舞伎』をまたひとつ発見できました。

それでは、また。