白川町では平成29年4月1日に新しいスポーツ団体がスタートします。この団体は、各団体のいままでの活動を継続しながらも、総合型地域スポーツクラブの要素を大きく持つ団体となります。

総合型地域スポーツクラブ
とは、地域内で個々にスポーツを楽しむだけではなく、誰もがスポーツを楽しめる機会を提供する公益(みんなのため)の非営利組織(市民団体)です。10年以上前から文部科学省が全国の市町村での育成に取り組み、現在全国に2802クラブ(2015年末)岐阜県内にも64クラブが存在します。スポーツクラブなので会員制です。会員の数は100人単位から10000人単位と組織の規模は様々です。年会費や参加費を基本として、一部は自治体からの補助金などでクラブの運営が行われています。

白川町にはこれまでも総合型地域スポーツクラブとして「チャオ白川スポルトクラブ」がありました。2008年2月に設立され、中学校区(白川・黒川・佐見)3地区に分かれ、子どもから高齢者までが楽しめる教室を展開しています。例えば、小学生ならフットサルや野球、チアダンスなど、中学生なら野球やソフトボール、バレー、剣道、一般・高校生ならフットサル、バドミントン、ヨガ、健康体操、貯筋運動etc.といった具合です。他にもフットサルの大会を主催しています。

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今年の4月からスタートする白川町の新しいスポーツ団体。それが【一般社団法人スポーツリンク白川】です。設立は平成29年3月5日(日)の予定です。この【スポーツリンク白川】は、白川町にある3つのスポーツ団体「白川町スポーツ少年団」「白川町体育協会」「チャオ白川スポルトクラブ」が一つになって誕生する新しいスポーツ団体です。(まだ、設立されていないのに、僕がブログに書いていいんですかねw?一応、事務局通していますので、たぶん大丈夫ですw)

なぜ、3つの団体が一つになるの?
少子高齢化で子どもが激減しているのが山間地域の白川町の現実です。チームスポーツができない。僕の地元、白川町黒川の黒川中学校でも、僕が中学生の頃には、ギリギリ野球部の活動はできたけれども、男子は他のチームスポーツの選択の余地なしだった。野球or剣道の基本運動部の選択オンリーという状況は、僕はごく当然のごとく受け入れていたけれども、現実的にチームスポーツを単独の小・中学校で行うことが非常に難しく、そしてスポーツの選択の幅も狭い。(現在、黒川中学校には野球部なし。スポ少の活動でも黒川には男子のソフトボールチームがかつてありましたが現在はなくなりました。)

3つのスポーツ団体が一つになることで、どんなよいことがあるの?
人口8000人の白川町にいくつもスポーツをまとめる団体があることが非効率(例えば、スポ少とスポルトに所属するとそれぞれ別々に同じ保険への加入が必要。これを一本化することなど。)なので、町内のスポーツに関わる活動を一括でまとめることで効率的に運営も連携もできます。町内の子どもたちが学校の枠を超えて、サッカーをやりたい子はサッカーをフットサルがやりたい子はフットサルを、バスケ、野球、ソフト、バレーetc.と学校内の部活ではできないけれども、集まれば練習も試合もできる。(例えば、現在の白川中学校の生徒は全員、チャオ白川スポルトクラブの会員です。もし、小学校6年生の子がクラブ会員ならば1,2,3月でも中学校で中学生と同じ場所で同じ練習をすることもできるし、保険も適応される)そんな活動も可能です。黒川や佐見と白川の小中学生が一緒に活動を行うことによって学内の部活や送迎の問題はありますが、可能性の幅は今以上に広がるはず。


具体的にはどんな感じ?

【スポーツリンク白川の3部門】
競技スポーツ部門…白川町体育協会
ジュニアのアスリート部門…白川町スポーツ少年団
生涯スポーツ部門…チャオ白川スポルトクラブ

【運営の資金について】
スポーツ少年団・体育協会→自治体からの補助金により運営→今後も継続的に年会費必要なし。
総合型地域スポーツクラブ→受益負担(年会費や参加費)での運営が基本(一部補助金あり)

【指導者の扱い】
スポーツ少年団→ボランティア→今後も謝礼なし。
総合型地域スポーツクラブ→謝金が出る

【活動の幅】
総合型地域スポーツクラブは全国的に多岐に存在しますが、山間地域の少子高齢化などを理由にスポ少、体育協会、総合型地域スポーツクラブが一つの一般社団法人になるという例はほとんどないそうです(たぶん、日本初!確認しますw)そのため、前例のない組織となり、いままでの活動を継続しながらも、前例がないため活動の枠は自由です。

例えば、ウオーキングやマラソン大会、フットサル大会などのイベントを行う他にも、競技としての“スポーツ”にとらわれず、様々なイベント、教室を開催することが可能です。町内の町民だけではなく町外からの参加者も募って(フットサル大会などもそう)イベントを開催することができます。

現在のチャオ白川スポルトクラブでも、競技の枠にとらわれず、町内外の様々なイベントなどで披露されているチアダンスであったり、シニア向けの寝たきりにならず介護の必要もない生涯健康を目指す“貯筋運動”の教室が町内3地区で行われています。



“生涯スポーツ”という言葉があります。身体を動かし、身体も精神も生涯を通じて健康的に生活をするために、誰もが、いつでも、気軽に参加できるスポーツのコトです。そのためには、自発的にウオーキングやマラソンをはじめている人もいますが、みんながそういう訳ではありません。しかし、仲間と一緒なら、誘われてなら参加する方もいらっしゃるでしょう。さらに、高齢を理由に家にひきこもりになったり、暇をもてあましている人もいるかもしれません。そういった人たちが集まって身体を動かすことで、より健康的な生涯を過ごすことができます。

現在、日本の平均寿命は男性80.79歳、女性87.05歳(2015年)と年々伸びてきていますが【健康寿命】は男性70.42歳、女性73.62歳(2010年)と大きな開きがあります。健康寿命とは、日常的に医療や介護のお世話にならない、ピンピンと自立した生活ができる期間です。これが、寿命よりも10年短い。

長生きしたいけれども…楽しみもなければ、薬漬けで、寝たきりの毎日…。そんなのは嫌だ!

加えて、医療費や介護費も負担がグッと増えていくことが考えられます。
例えば1990年度の「国民医療費」は総額20兆6000億円でしたが、2010年度は37兆4000億円。(内75歳以上の高齢者12兆円)(Wikipediaより)“団塊の世代”と呼ばれる人たちが、70代を迎えてくるためこの問題はますます深刻になっていきます。医療や介護に関わる、お金の負担がどんどん増えてくるのは目に見えていますよね。 そして、年金も…。いっそ、早死にを…。この医療が発達した時代、長生きだけが良いとは言い切れませんが、いっそ生きているなら元気でいたい!そのための生涯スポーツ。それを支えるのが、総合型地域スポーツクラブであり、子どもが少なく、高齢者が多い地域のスポーツクラブとしての【スポーツリンク白川】のポテンシャルはメチャ大きいのではないでしょうか。



2020年のビッグイベントといえば【東京オリンピック】ですね。その翌年、2021年の日本で行われるスポーツのビックイベントとしてば【関西ワールドマスターズゲームズ2021】です。 ワールドマスターズゲームズとは中高年のための4年に1度の国際総合競技大会です。そう、オリンピックは超一流のアスリートが集う世界最大のスポーツの祭典。その翌年に行われるのが、生涯スポーツの世界祭典です。これは、夢があります。なぜかといえば、ワールドマスターズゲームズの参加資格は年齢のみ。原則30歳以上であれば誰でも予選会なしに参加することが可能です。オリンピックで100メートル走や水泳の平泳ぎで金メダルを取るという“夢”は、最初から持っていませんが、ワールドマスターズゲーム100歳以上の100メートル走で金メダルを取るのには、希望があります!

2021年はアジア初の「ワールドマスターズゲームズ」が15日間、大阪をはじめ関西地域で開催されます。東京オリンピック×ワールドマスターズゲームズの大会をきっかけに、生涯スポーツに取り組む人たちがグッと増えてくることが、ますます期待できますし、それに向けた社会の生涯スポーツ、健康寿命への意識の向上、さらに子どもがいない、高齢者は増えた、介護者が足りない、病院がなくなる…という諸課題を解決?改善する、大きなポテンシャルを秘めた活動が、この白川町からはじまろうとしています!そう、それが【スポーツリンク白川】



ああ、最後。盛りすぎましたw