「30年後も小学校を残す!」をスローガンに地域づくりを行っている郡上市・石徹白に「白川町魅力発見塾」の視察で他の塾生の皆さんと行ってきました!

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郡上市・石徹白(いとしろ)といえば、今年で開山1300年を迎える白山信仰のむら。かつて、福井県だった石徹白村は、昭和33年に岐阜県・白鳥町に越県合併され、現在は平成の大合併で郡上市白鳥町石徹白になっています。郡上市の中でも“孤立”集落とよばれる「石徹白」。となりの集落まで12kmで、当然このむらには信号機もコンビニもスーパーもない?最寄りのスーパーまでは30分程で、普段から岐阜県の山の中いや秘境とも呼ばれるような岐阜県・白川町黒川に暮らしている僕からしても山の中でした笑。

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標高は700m。白鳥の中心地から行くには、標高950mの峠を越えていくので、また一段と遠さを感じさせました。冬には、1日に1m50cmも雪が積もることがある石徹白。常時2m以上積もっていることも珍しくなく、12月~4月までは雪があるそうです。石徹白の人口は273人。113世帯(2016年10月住民基本台帳)これは50年間で約4分の1。小学生は6人で65歳以上が50%。消防団は20人だそうです。高齢化率(65歳以上の人口割合)が50%を超えている集落は「限界集落」と呼ばれますが、石徹白はまさに限界集落です。ただし、限界集落の言葉のマジックに脅されることなく、この石徹白は全国的にも注目を集めている地域なのです。


今回の講師はNPO法人地域再生機構の副理事で、石徹白に暮らしている平野彰秀さん。平野さんは、小水力発電の取り組みをするために石徹白を訪れ、それ以来、石徹白の人たちとの関係を築き、イジューをされ、現在は各地での小水力発電関連の仕事をメインにされているそうです。

ちなみに、僕は5年半程前に平野さんにお会いしたことがありまして、FBでお友達です。

発掘→まちづくり報告会 

2011年11月24日だそうです。5年半。ブログの文章は少しは大人になっているかな。うーん。ひどいw

その伊藤さんの話のあとには、県内の谷汲や郡上の白鳥、御嵩町など計6地域の
県が協力している(職員が派遣されている)成果報告がありました。
素敵な報告ばかりでしたが、
もうちょっと、頑張ってほしかったw

ああ、ひどですねw



さて、今回は5年半前に「石徹白に行ってみたい!」と平野さんにお話しして以来、行けていなかった石徹白に初めていけるということで、前日からあまり寝付くことができず、朝方になり睡魔に襲われ、遅刻しそうになったことは置いておいて、実際に小水力発電所の視察や石徹白で採れたものをメインに女性の皆さんが営まれているカフェでのランチをいただき、平野さんからのリアルな石徹白のお話しを伺うことができました。また、岐阜新聞の朝刊に少し前までコラム(「素描」)を掲載していた「石徹白洋品店」の平野香馨里さんのお話しも伺うことができました。

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「石徹白洋品店」素敵です。明治時代の建物を移築してリノベーションして、伝統的な工法を活用しながら無駄のない家づくりをして建てられた建物です。「石徹白洋品店」では、石徹白に残る伝統的な服作りを行い、染められています。インターンで2名の女性も「石徹白洋品店」で働いていて、現在は企画展の準備中なんだとか。

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石徹白は、ほんとうに山の中で、それでも、これまで集落が生き残ってたのは、まず、ここに白山中居神社があるから。縄文の時代から、この地に人が住み、弥生、平安、安土桃山とそれぞれの時代ごとにイジューブームがこの石徹白に訪れ、集落を形成していったそうです。雪深いこの土地で暮らしてきた人たちは互いに助け合い、かつては電力会社が電線を引っ張らなかったので大正13年に自分たちで資金を出し合い水力ダムをつくり発電所をつくったこともあったそうです。それが、高度経済成長期を境に石徹白を離れる人が増え、集落の危機を迎えたなかで平野さんが石徹白を訪れ、小水力発電所の取り組みを進める中で1基を石徹白のほぼすべての世帯が資金を出し、出資や補助金、借入金などをあわせ90年ぶりにみんなのお金で2億円以上をかけて発電所を建設されました。

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現在4基の小水力発電が稼働中で、石徹白の皆さんが出資した発電所と他の小水力発電所を含めると石徹白の電力自給率は250%以上にもなります。

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小水力発電の先進地として注目を集めている中で、はじめは住民があつまる場としてはじめられた地元の女性たちによる「くくりひめカフェ」は視察に来る人たちに石徹白の食材で食事を提供する場となり、週末と予約営業をされています。

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また、先の週末にはアウトドアフェスが開催され、石徹白の集落全体をフィールドとしてアウトドア好きな人たちが1000人以上集まり、みなで楽しくイベントを開催したそうです。

さらに『おだやかな革命』という石徹白を舞台にした映画も完成間近。こちら、例えば「原発反対」をたかだかと叫ぶんではなく、行動で小さなところから変えていくこと。石徹白の小水力発電もはじめは小規模なものでしたが、いまでは集落全体でお金を出して発電所を稼働させている。特別、なにか有名になろうとかでないけれども、小学校を30年後も残し、この石徹白に残る伝統や文化、技術を次の世代に継承する。そんなことを自分たちのペースで着実におこなっているのを平野さんのお話しをうかがう中で感じることができました。


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