芝居小屋が多く現存する岐阜県の東濃地域(白川町は中濃だけど)この地域で、今年の11月に中村勘九郎さん、七之助さんが歌舞伎公演を行います。
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岐阜県では中津川市・加子母の「明治座」で11月3日(金・祝)、白川町・黒川の「東座(あずまざ)」で11月4日(土)、瑞浪市・日吉町の「相生座」で11月5日(金)に開催されます。
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(かしも明治座)

かつて、この地域で地元の人たちの娯楽の場として多く存在した芝居小屋は時代の変化により、一旦はその役割を終え、多くは取り壊されるなどしましたが、地元の方たちの力により、もう一度その役割を与えられよみがえった芝居小屋もあります。その一つが東座。一時は倉庫として使われていたというこの建物は、平成に入り大修理が行われ、それ以後、歌舞伎公演や地元の行事などで使用されています。独特の時代を感じる芝居小屋に関して、勘九郎さんは
「東座で『連獅子』を踊ったんです。素踊りでしたが、人生でいちばん暑かった。父もそう言っていました」(七之助)、「あまりの暑さでお客様があおいでくださったそうです。父は(『義経千本桜』「すし屋」の)権太をやって、腹を切ったいいところでおひねりが飛んでくるんですが、それが頭に当たって本当に痛かったみたいで…」(勘九郎)引用:【公演追記】勘九郎、七之助「全国芝居小屋錦秋特別公演」のお知らせ
と、語っています。
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これに関しては、平成25年11月29日に東座で行われた「中村勘九郎丈東座名誉館主就任」の際の挨拶でも同じようなことを言われていました。かつて、勘三郎さんが名誉館主を務めていた明治座と東座は、明治座は七之助さんが、白川町の東座は勘九郎さんがそれぞれ名誉館主となっております。

就任当初から、ここで芝居をするんだということを言われて4年。前回、2006年(平成18年)に一度、同じように全国の芝居小屋を巡って行われた勘三郎さんの襲名披露公演から11年。再び、東座で芝居が行われます。

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6月には名古屋城の特別会場で「平成中村座2017」が開催されました。名古屋城のすぐそばに芝居小屋が建てられ1か月間にわたる興行でした。先行販売などでほとんどのチケットが4月の一般発売日に残っていないほどの盛況ぶり。江戸時代の芝居小屋を再現したというその舞台。夜の部の終盤には舞台の奥が開きライトアップされた名古屋城がみられるという演出もありました。僕も、一度だけ夜の部を鑑賞しましたが「義経千本桜」や「弁天娘女男白浪」、「仇のゆめ」といった歌舞伎の演目の定番。とくに、弁天娘女男白浪はかつて僕も演じたことがある演目だったのでストーリーもよくわかる。仇のゆめは、笑いあり、涙ありのとても素晴らしい演目でした。

それから、数か月を経て今度は、東座で。ちょっと、3連休中日に見に行くのは難しいかなー。中村座はそのときだけの建物ですが東座やほかの芝居小屋は明治時代ごろから現存する建物。その中での雰囲気、そして収容人数も少なく、より近くで、より臨場感を持って歌舞伎を鑑賞できるはずです。チケットを販売しているWEBサイトを確認してみたところまだチケットが残っているらしい(今日現在)。東座で自由席9000円ですが、いけるならいきたいな。東座そんなに大きくないから満員になったってすごく近いからね。これは、ぜひご興味ある方11月の東座、明治座へ。

中村勘九郎 中村七之助 全国芝居小屋錦秋特別公演 2017