地域づくり、まちおこしが盛んな昨今。もっとも、注目されている雑誌といっても過言でないのが月刊ソトコトです。僕の部屋の本棚にもソトコトが並んでいますが、毎月購入しているとスグに棚が埋まってしまうので、最近は本屋さんで速読するか、白川町役場の移住促進サポートセンターで熟読するのが定番です笑。

ソトコト 2017年 9月号 Lite版 [雑誌]
ソトコト編集部
木楽舎
2017-08-05


今年のGW頃にNHKラジオのお昼の番組に登場した「指出さん」の話を聞いてから、一度お会いしてみたいなーと思っていたら、おっと美濃加茂に!しかも、休日!ということで、参加することができました。そのラジオ番組では「定住人口でも交流人口でもない、これからは〈関係人口〉が大切」という話が、ひじょーに頭の中に残り、ちょくちょく引用させていただくこともあったのですが、ついに直接〈関係人口〉の話を指出さんから伺うことができました。

“定住人口”とは住んでいる人の人口です。“交流人口”とは訪れた人の数(観光客も含め)です。ただ、交流人口といって交流している人が多ければ良いのかというと、例えば大河ドラマや朝ドラの舞台になった場所に一時的に人が訪れるようになったけれども、ブームが去ると誰も訪れなくなるといったことが起こります。(最近、天下分け目の映画のロケ地になった場所が観光の起爆にという記事があったけれども、まあ一回行けば良いのでどーかな。と思ったところでした)

“関係人口”とは一度訪れた場所に縁があり、何度も何度も訪れ、地域のお祭りやイベント、地域の担い手として関わりを持っている人のコトです。たった一度きりではなく、自分が関わりを持てる、関係を持つためにわざわざ交通費を払いお金を出しいて関係づくりをしている若者が増えている。移住も定住もしないけれども、何度も何度も訪れる人が地域の担い手として地域を支え、訪れる側にとってもそれを求めているという時代になっている。

お金を使うところが、車とか別荘などモノで自己表現をする時代から、2000年代に資格などの自己実現をする時代になり、そして現在は“関係”にお金を使う時代になっている。そう、ただ旅に出るのではなく、そこにいる人との関わりを持つこと、史跡とか名勝地を巡るのではなく、なんでもないちょっとした商店やカフェ、パン屋さんの店主さんに会いに行くために、沖縄の…北海道の…ゲストハウスでないと会えない人に会うためにお金を使って行く。(今の時代、飛行機はLCCなどで随分と安い時代になりりました。例えば自動車を所有したりレンタルして高速代とガソリン代を払って遠出するより沖縄に行く方が安い)

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「地域の魅力って何だろう?」と考えたときに最初に出てくる1~15のコトは一端横に置いておく。たいがい、出てくる地域の魅力は、どの地域も出し尽くして、一緒になる。「空気が美味しい」「清流」「棚田」「滝」「B級グルメ」などは、どこにでもある時代に、使い回された地域の古典の魅力では、誰も振り向いてくれない。そして、じゃー、流行の女性向けの○○でいこう!というのも、なんとも無責任の話。そういう前向きな話ではなく。『内向き』内輪で盛り上がる。とにかく、内側で盛り上がっていくこと。大好きな地域の自分が大切にしているものを取り上げると、もっと大事にしている人が現れる。例えば、特集“地元のスーパーマーケット”という極めて地味なテーマで、スーパーマーケットのおじちゃんが考案したドレッシングの記事をおじちゃんのインタビュー付で掲載してみたら、地域の人が感心を持ってくれて、若い人が編集に混ざるようになり、内輪で盛り上がっていたら、外から人が集まるようになったことが高知であったそうです。中の人がとにかく楽しむ。そうすると、それに外の人が引き寄せられる。この法則、大切。

すごく、つるつるした、良いところばかりの地域は、都会から移住しても、自分の関わりどころがないように感じてしまうけれども、ざらざらした課題ばかりで、どうしようもないようなことを表に出して発信していると、都会から優秀な若者が関わりがいがある地域に集まってくるそうです。いまは、大学生を地方で取り合いになっている時代。地域の住民と都会からくる大学生や若者をつなげるコーディネーターが大切でなんだというお話しも。

「地域の編集」これね。書くと長くなるね。

一人でやらない。みんなでやること。お店をつくるときに、小学生やおじいちゃんおばあちゃんも巻き込んでいく。そうすると、オープンでスタートではなく、マイナスからスタートできるから関係性が前前違うんだそうです。自分がまちに関わることを小学生の頃から実践できる。もう、そこから将来のお客さんにもなるし、自分がまちに関わることがまちが良くなることがわかれば、きっと将来このまちで生活するようになる。(これね、大切ですよね。頭のいい人はやっている)

他にも面白いお話しいっぱいあったんですよ。あの、「地域仕事づくりチャレンジ大賞」を取ったピンクのネットで買った着ぐるみを着て、地域に関わる人を増やした話とか、1億円でつくったけがをする公園とか、奈良県の話とか、最後のさいごに『久米島ドリー部チャレンジ』が出てきたときには最高でした。素敵な講演会でした。ありがとうございました。