先日、ドン・キホーテで購入した『カンガルー肉(ルーミート)』※オーストラリアでカンガルーは「ルー」と呼ばれており、“カンガルーのお肉”という意味で「ルーミート」と呼ばれています。今回はその「カンガルー肉(ルーミート)」をスキレット+ダッチオーブンでローストして食べてみました。

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「カンガルー」はオーストラリアの象徴で、国章に描かれるほどオーストラリア人の身近にいる動物。その一方で近年では、カンガルーの頭数が増えすぎいます。その数は、2016年の時点で4500万頭(オーストラリアの人口は2400万人)と人口の2倍近い頭数となり現在でも増加し続けています。

オーストラリアにはカンガルーの天敵がおらず、家畜のための広大な牧草地がつくられていることはカンガルーにとって、その増殖を高めるには十分すぎる条件が整っています。さらに干ばつなどの天候不順な時には生殖能力が停止しカンガルーの頭数が減少する原因になりますが、農畜産用灌漑施設が整っている現在では干ばつになっても繁殖能力が停止しない場合が多くなっています。ルーミート

その結果、年間2万件の自動車と動物との接触事故のうち8割がカンガルーとの衝突であるほか、家畜のえさを食べ、水を飲み、駆除の対象となるほどに影響を与えるまで増加しているようです。

しかし、オーストラリアでも「カンガルー肉」が販売されるようになったのは、この十数年ほどであり、カンガルーを食べる食文化はあまりありません。また、カンガルーは最速70㎞ものスピードが出るほか、キックボクシングをする姿はムキムキでカルビのような脂肪はない。焼肉として食べるにもそのままでは「硬い」などの問題があります。加えて、家畜として育てられたわけではなく「ジビエ(野生鳥獣)」なため味のばらつきや食肉処理などの問題があるようです。このような課題はありつつも、オーストラリアではカンガルーの数を抑制するためにも「カンガルー肉」を積極的に輸出しているようです。日本でもまだ少数ではありますが、ドン・キホーテの他、WEBサイトで「カンガルー肉」を購入できます。


そんな「カンガルー肉(ルーミート)」を今回はスキレット+ダッチオーブンで調理してみました!

まずは“ほぼ筋肉”なため、そのまま焼いてしまうと硬くなる問題を解決するため、以前「鹿肉を美味しくロースト」した際に用いた方法で今回も調理してみました。




こんな感じです。
1.カンガルー肉を冷蔵庫で半解凍して、フォークで穴をあけます。
2.カンガルー肉に食塩、味塩コショウ、クレージーソルトなどをしっかりつけて味付けします。
3.大きめなジップロックにカンガルー肉を入れ、そこに度数35°のジンを入れ冷蔵庫で寝かせます。



ここからは、アウトドアクッキングでの「カンガルー肉(ルーミート)」のローストについて
1.ジップロックからカンガルー肉を取り出し乾かします。(本当は日陰で1、2時間程がいいのかな)
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2.スキレットを温め、カンガルー肉を投入。全面を焼きます。
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3.全面焼いたらアルミホイルで蓋をして5分焼きます。
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4.スキレットから取り出し、アルミホイルで包みしばらく待ちます。(このときに、だんだん内部に熱が伝わっていく。外気温は寒すぎないほうがいい)
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5.これでひとまず完成。

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一部は燻製にするために今回はダッチオーブンを使いました。
6.ダッチオーブンにアルミホイルを敷き燻製チップを入れ、底網を置きその上にカンガルー肉を乗せます。
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7.火をつけてしばらく燻製をつくる要領で燻製にしていきます。
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8.ぼちぼちよさようなところで完成です。
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実食!

おっ!

柔らかい!


カンガルー肉(ルーミート)は“筋肉”で“硬い”という情報がWEB上にはたくさんありますが、ジンに浸けたため、特にローストの直後は硬いことはありませんでした。また“臭み”について書かれている口コミもありますが、こちらもジンに浸けていたので全くありませんでした。

が、「ジン」が染み込みすぎていました。浸けるジンの量が多すぎたのか、日数が長すぎたのか、水洗いをしっかりすべきだったか、日陰干しが不足していたのかはわかりませんが、ジンが強過ぎました。ちなみに、今回は「アイスジン(500ml)」を近くのドラックストアで購入してきて使ったのですが、ジンを他に使う予定がないため500mlすべて投入しました。前回は100ml程。加えて今回は、3晩寝かせていましたが前回は2晩でした。これらのことを考慮すると、ジンは100ml程度で2晩で十分だったかもしれません。

「ジンに浸け過ぎ問題」は今回の大きな反省ですが、

カンガルー肉でもアルコールに浸けることで「硬さ」も「臭み」も解決することができます。

また、ダッチオーブンを使用せずスキレットだけでも十分調理することができます。


冷めてくると肉が硬くなって「ビーフジャーキー」のような食感。「カンガルー肉」は「牛肉」に近いかな。


今後オーストラリアでカンガルーを食べて数を減らす傾向はますます高まりそうです。日本でもカンガルー肉(ルーミート)について触れる機会も増えそうです。まだまだカンガルー肉が高価で気軽に試すにはハードルがありそうですが、日本のスーパーでもカンガルー肉(ルーミート)を購入できます。食べてみると美味しいですよ!