・お茶摘みギネスから1年
・清流とお茶畑、お茶街道の白川町
・オリンピックとパラリンピックの目的
・健康寿命と地域振興
・ノルディックウォーキングというスポーツ
・スポーツリンク白川とのコラボ
・「清流白川ノルディックウォーク」の開催へ


─お茶摘みギネスから1年─
昨年7月7日(日)に岐阜県白川町で「同時に茶摘みをした最多人数」のギネス世界記録に挑戦するイベントが開催された。これは美濃白川茶をPRする為、開催されたもので当日は576人による一斉茶摘みが行われた。このチャレンジには全国から参加者が集まり、新聞やTV、WEBメディアに取り上げられた。



ギネスをきっかけにして、ギネスという記録以上に全国各地から参加者が集まり、岐阜市や名古屋市近隣からも多くの大学生が白川町に集まり、茶摘みをしたこと。お茶の業界の皆さんをはじめ、多くの人が協力して“ギネス”というものに“挑戦”したということが、改めて思うと凄くよかったなと感じています。

ギネスに登録されたことで白川茶の売り上げがどれほど増えたかはわからない。だが、ギネスについてたぶん皆忘れている。だからこそ、一回ぽっきりのイベントではなく継続的な関わりが必要なのだ。


─清流とお茶畑、お茶街道の白川町─
岐阜県白川町には「白川茶」という銘茶がある。江戸時代からこの地方で栽培がはじまったとされる「白川茶」。現在でもお茶栽培は盛んだ。お茶を加工する“茶工場”や自社製品を製造販売する“茶園”も多い。白川町の「道の駅美濃白川」や隣の東白川村の「道の駅茶の里東白川」でもそれぞれ独自にお茶工場を持ち製造販売しているほど、この地域にとってお茶は欠かせない存在である。

白川町には各地にお茶畑があるが「お茶の白川町」を道路を走りながら感じることができるのが「美濃白川お茶街道」(美濃東部広域農道)である。高規格農道として整備されたこの道は、広域的には郡上市と恵那市を結ぶ農道であるが、白川町の水戸野から下油井までの間はお茶畑が広がるエリアでありこの区間を「美濃白川お茶街道」と呼んでいる。

また、白川町は清流でも推している。「道の駅清流白川クオーレの里」という道の駅があるほどだ(私の職場)。木曽川水系で飛騨川の支流には「白川」の他、佐見川、黒川、赤川がある。

白川町には、特産品である「白川茶」を栽培する多くの茶畑と町名にするほどの清流がある。


─東京オリンピックとパラリンピックの目的─
お茶の話から離れるが、今年(2020年)は東京オリンピック・パラリンピックが開催されるはずだった。この世界的なスポーツの祭典の開催が東京に決まったのは、7年前の2013年9月だった。当時、東京都知事だった猪瀬直樹さんは誘致の目的についてこう語っている。

2020年東京オリンピック・パラリンピックを招致し、この国の閉塞(へいそく)感を突破する。多様なスポーツの裾野を広げ、都民の健康を増進することにより、医療費の負担を減らし福祉の充実に充てる。朝日新聞

当時、日本にはリーマンショックからの東日本大震災で閉塞感が漂っていた。それを東京オリンピック・パラリンピックを誘致して突破することが、まず大きな目的だった。

そしてもう一つ

「多様なスポーツの裾野を広げ、都民の健康を増進することにより、医療費の負担を減らし福祉の充実に充てる」こと。猪瀬さんは東京都知事なので都民の健康と言っているが、これは日本国民全体に言えること。いま日本国内の高齢者が増えて医療介護に充てる費用が増加している。その額、社会保障給付費全体で2018年度は121.3兆円。
※社会保障給付費とは年金、医療保険、介護保険、雇用保険、生活保護などの社会保障制度に係る支出。内、医療給付費は18年度は39.2兆円。介護給付費は18年度は10.7兆円。

年々、数兆円レベルで医療、介護の負担が増えていく中、2025年には所謂「団塊の世代」の全員が75歳以上の「後期高齢者」となる。こうなると、例えば「介護保険」の納付が30歳からになったり、医療保険の負担金額があがるのは容易に想像できる。そうならないように必要だと考えられたのが、東京オリンピック・パラリンピックを誘致して「多様なスポーツの裾野を広げ、健康を増進することにより、医療費の負担を減らし福祉の充実に充てる」ことだ。たとえオリンピック開催のために1兆円のお金がかかっても、皆がスポーツに親しみ健康に気をつけることで医療と介護にかかる負担を減らせる。そう思えば、1兆円の投資は全体としたら大したことはない。

たとえ1兆円かけてでも、皆がスポーツに親しみ健康になることに意味がある。

世界中のアスリートを集めてスポーツの祭典をするだけじゃない。オリンピック・パラリンピックでアスリートのすばらしさを間近に体感してスポーツに親しむことで国全体が豊かになる。そういう論理だ。たとえ、オリンピック・パラリンピックが開催されなくても、皆が希望をもって健康的に生活できればよいのだ。そのために、スポーツを身近に親しむ環境が必要だと思う。


─健康寿命と地域振興─

平成30年(2018年)日本人の平均寿命は男性が81.25歳、女性が87.32歳だった。しかし「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされる「健康寿命」は、これよりも10年程短い。例えば2016年は平均寿命と健康寿命との差が男性8.84年、女性12.35年だったそうだ。この「健康ではない期間」は家族への負担も、社会全体負担も大きい。なにより、自分自身にとって健康であることはかけがえのないことではないだろうか。

健康な人が多いことは高齢社会となった地域にとっても重要だ。年齢を重ねても生涯現役で90歳を過ぎても認知症にもならず丈夫な身体で生涯現役でいることは、暮らししている地域の負担を軽減する。それに加え、収入を得て消費することで経済活動にも貢献する。生涯で得た知識や経験には若い世代は持ちえないものがあり、人手が足らない過疎地域では元気な高齢者がいるだけで地域にとってはプラスになる。


─ノルディックウォーキングというスポーツ─
「ノルディックウォーキング」とは北欧のフィンランド発祥のポールを使ったウォーキング。もとはスキー選手が夏場のトレーニングのためにポールを使ったのが始まりとされている。



※ノルディックウォークとは、フィンランド発祥の新しいスポーツ。クロスカントリー選手が雪のない時期の練習にポール(ストック)をつかったのがはじまり。90年代に「ノルディックウォーク」と命名され、日本には00年代から普及が広まり、現在日本での愛好人口は50万人程。北欧では広く国民に親しまれており、近年では中国でも健康志向の高まりから富裕層を中心に人気があるとか。ポールを使ったウォーキングは上半身の可動域を高め歩幅を広げるため、代謝が高まり、運動能力の向上や認知症予防にも効果があり超高齢社会で、さらに普及の余地あるスポーツである。

とぼとぼ歩くことにあまり意味がないそうだ。押し車で前に手を置いて歩くことは、この講習会では全く推奨されなかった。あれは“まずい”と。また、日本の着物文化だが歩幅の狭さも認知症に悪影響を与えるそうだ。一方、ポールを使えば、歩幅が広がり否が応でも上半身の可動域が広がる。そのため“ただ歩くよりも”運動能力の向上や認知症予防にも効果があるスポーツなのだ。


─スポーツリンク白川とのコラボ─
3年前に白川町に誕生した「スポーツリンク白川」はスポーツ少年団や体育協会、総合型スポーツクラブが統合して“スポーツでまちを元気にする”活動をしている。



様々な活動のなかで注目しているのは、シニア層への取り組み。年齢を重ねると外出の機会が減る。身体がより動かしにくくなる。その過程でより身体は衰えていく。日常的にスポーツなどで体を動かす機会がなく、生きがいがなければ、健康寿命は短くなる。そうならないように機会を提供する。それにスポーツリンク白川には取り組んでいる。


─「清流白川ノルディックウォーク」─
「お茶の白川町」を体感するノルディックウォークイベント開催へ。

美濃白川クオーレの里発着で途中、広野茶園での茶摘み体験(生育状況で変更あり)、美濃白川お茶街道のウォーク、水戸野のしだれ桜を経由する全長12kmの「清流白川ノルディックウォーク2020」を2020年5月1日(金)開催する予定。

清流白川ノルディックウォーク2020チラシ表

清流白川ノルディックウォーク2020チラシ裏

手を洗い、3密を極力避け、全ての行程を屋外で行うこのイベント。外出自粛要請や天候リスクがあるけど、可能な限り開催したい。大々的に言えない空気だけど参加者募集中です。お電話でお問合せ申込お願いします。

TEL:0574-72-2462 美濃白川クオーレの里