今回は徳島県でサテライトオフィスに取り組んできた、元県庁職員で大学教授の方と、企業の立場で徳島で活躍されている方の講演会が白川町でありました。
徳島といえば、神山町でのまちおこしというか、地域活性化は全国的にもかなり有名。本も出てますよね。2014年に出版された「神山プロジェクト」はAmazonでポチって本棚に並んでいました。
徳島県の神山町や海沿いの美波町など、徳島県はサテライトオフィスの誘致が積極的に行われています。2011年、東日本大震災があった年にサテライトオフィスに取り組みを開始。はじめは周りの理解が得にくかったそうです。それが、メディアに取り上げられた結果、バックアップオフィスとしての役割や人材不足の中で豊かな自然の中で仕事がしたい人が集まってくるなど、企業側にもメリットがある取り組みとなっていったそうです。
地域側
・優秀な人材が集まる
・地域が活気づく
・人口減少の緩和
・働く場の確保
・ITを活用した地域課題の解決
・地域の子どもたちの夢や希望となる
企業側
・優秀な人材が集まる
・課題先進地での実証実験ができる(自治体による)
・本社などが災害に見舞われた際のバックアップの場となる
・コストが安い(オフィスや住居の家賃など)
・時間コストが低い(通勤時間など)
・地域のメディアに取り上げられやすい(TVや新聞)
・さまざまな支援を得られる
サテライトオフィスには空き家や廃工場が使われています。場所によっては廃校なんかも使われているのかな。このような、使われなくなった「リタイアインフラ」が活用されているようです。
単独一社だけのサテライトオフィスではなく、コワーキングスペースとしてのサテライトオフィスも徳島県には10軒あるようです。
オープンスペースでのコワーキングスペースは、交流の中で新しいアイディアがうまれたり、地域との交流の場となる。コワーキングスペースの肝は、コーディネーターの存在。建物があることが重要なのではなく、人が必要なんだそうです。
コワーキングスペース単独で、採算がとれるかというとそんなもんではない。行政がバックアップしないとと成り立たない。コワーキングスペースがあることで、人が集まり地域が良くなることを目的にしている。ただし、行政でも企業でもない、第3者の立場での組織が間にある必要があるよう。
サテライトオフィスがあるからといって、地域がよくなるかというとそんなわけはなくて、そこに熱心に取り組む、自治体やサテライトオフィス(コワーキングスペース)をコーディネートする人がいて、同じ船に乗る面白い企業が来て、地域の課題を一緒に解決していく流れができ、どんどん面白くて優秀な人が集まってくる流れができる。ここまできての“地域活性化”なのかなー。
“まちの人口は減っているけど、未来は残す。”
田舎にいても、世界を相手に仕事をしている大人がサテライトオフィスにいることで、地元の子どもたちが外に出ていかない選択肢ができる。誇りを持って優秀な人材が地元に残ること。
田舎にいても夢を持って世界を相手に仕事をしている大人が身近にいることは、地元の子どもたちの夢と希望となり、地元に残るという選択肢となることが、サテライトオフィスのひとつのゴールという話が印象的でした。