『2040年の未来予測』から、様々な本を取り上げていますが。今回は『スマホ脳』です。

未来の話をする前に、まずは、足元を見つめようと思っていたら、手元にあるスマホを見つめていました。この記事もスマホで書いていますし、あなたも、スマホで記事を読んでいますよね?

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スマホ脳(新潮新書)
スマホ脳(新潮新書)
アンデシュ・ハンセン
2020-11-18


この10年で、僕たちはスマホに支配されました。起きたらまず、スマホ。寝る前もスマホ。ポケットにあるスマホに通知がきたら気になって仕方がない。LINEで既読が付いているのに返信がないと機嫌が悪くなる。“ちょっと”Instagramをみただけなのに、1時間も時間が過ぎている。仕事中もスマホに通知がきたら、スマホに意識が向いてしまう。これらは、僕らがスマホに支配されているから起きること。


つい、20年前なら圏外でも気にならなかったはずなのに、いまではWiFiが繋がらないと“生きていけない”ような人もいますよね。

コロナ禍の世界で、スマホはさらに僕たちの支配を強めてきた。この1年間の「自粛」で外界とのコミュニケーションの手段は「スマホ」。“コロナ”に関する様々な情報。自宅にいることでさらに増える「スマホ」との接触。


なぜ、僕たちは「スマホ」が気になって仕方がないのか?気がついたら「スマホ」を触ってるのか?


大きく影響しているのは「ドーパミン」という脳内伝達物質。ドーパミンの役割は「元気にすること」+「何に集中するかを選択する」こと。つまり、人間の原動力。


お腹が空いてるときに、ご飯を食べるように働いたり、狩りに出かけさせるときに働く。

特徴的なのは、“ご飯を食べるとき”ではなく“ご飯が目の前に出てきたとき”にドーパミンの量が増えること。

ドーパミンは人類が生き残るために、人間が行動を起こさせるように進化してきた物質。


ドーパミンが出るのは“ご飯を食べるとき”だけではない。「新しい情報」を得るときもドーパミンがドバドバでる。

なぜなら「新しい情報」は、生き延びるために必要な情報だから。

「食べ物がある場所」「危険な人間」「気象状況」など、様々な情報は僕たちの祖先が生き残るために必要だった。

かつて、サバンナに僕たちの祖先が暮らしていた時代から、ほんの数百年前まで、10歳まで生き残る人間は「半分」だった。そして、30歳までに多くの人は、「飢餓」や「人間同士の争い(殺人・戦争)」、「感染症」で亡くなっていった。

そのため、僕たち脳は、これらに関する情報に敏感に反応する。


なぜ、コロナウイルスで世界は混乱したのか?

例えば、日本のコロナウイルスでの死者は、約8000人(2021年3月上旬)、一方でガンでの1年間の死者は37万人(2019年)だ。これだけ見たら、コロナウイルスを恐れる以上に全力でガン対策をやるべきではないか?

でも、そうならないのはなぜか?

なぜ、コロナウイルスを恐れるのに、ガン検診は受けないのか?

それは、歴史的には圧倒的にガンではなく感染症で人類が亡くなってきたから。

ガンになるのは50歳、60歳以上の圧倒的に高齢者が多い。一方で感染症は年代を問わない。平均寿命が30歳での脅威はガンではなく感染症だった。

感染症で死なないために必要なことは、感染症を「免疫で治す」ことと、感染症を「避ける」こと。

だからこそ「どこの、誰が、コロナウイルスに感染したか」にめちゃくちゃ敏感になる。

感染者数が、めちゃくちゃ気になる。

そして、コロナの情報に触れすぎて、気がおかしくなりそうになる。

コロナ差別もおきる。


僕たちは、ご先祖様が生き残るために必要だった脳のシムテムで動いている。そして、いま、それはスマホにハッキングされている。

最近は大人でも、スマホにハマっている人は多い。YouTubeやらゲームやら。LINEも。じゃ、子供はどうか?まだ、平仮名もわからない子も、最近ではスマホ触っている。実際、この子たちが、どうなるかは、大人になってみないとわからない。実際、研究が追いついていない。


「iPhone」や「iPad」を世の中に生み出してきた、張本人のスティーブ・ジョブズは自分の10代の子供のスクリーンタイムを厳しく制限し、iPadを部屋の外に置いておいたそうです。

また、ビル・ゲイツも子供が14歳になるまでスマホを与えなかったそうです。

決して、2人とも“ケチ”だからではありません。


スマホの危険性を知っていたからです。





スマホとの付き合い方、ちょっと変えたくなる1冊。

とりあえず、ぼく、SNSの通知を切りました。ブルブルしなくしました。

まずは、そこから。



リン先生の要約、最高です!


スマホ脳(新潮新書)
スマホ脳(新潮新書)
アンデシュ・ハンセン
2020-11-18