読みました!『ルワンダ中央銀行総裁日記』服部正也著

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珍しく書店で購入した本。買ったのは7月。それから、はや3ヶ月半。当時、“ルワンダ”に興味があり、またまた棚に並んでいた“ルワンダ中央銀行総裁日記”が目にとまり、買ったのです。

内容としては、“46歳にしてアフリカ小国のルワンダの中央銀行総裁に突然任命された日銀マンが悪戦苦闘しながら超赤字国家の経済を再建しつつ国民の生活環境を向上させた嘘のような実話”です。

初版1972年と50年前に出版された“日記”もあって、普段読む本よりもかなり“読みにくかった”なぁ。

46歳で小国と言っても「中央銀行総裁」になった服部正也氏。小国と言っても、“国家”。途上国と言っても“首都”と、着任前は思っていたけど、実際は想像よりも…と。中央銀行の職員も銀行業務を担っことがある人材がそもそもいない。役人も職員も素人ばかりの環境。日常生活の中で「中央銀行」はさほど意識することもない(紙幣には書いてある)けど、中央銀行が機能しなければ国家が行き詰まる。

服部氏は家族とともに6年間をルワンダで過ごした。奥さんがルワンダに入る前、近代的に発展したケニアの首都ナイロビに立ち寄り「アフリカって案外いいところね」と言っていたのが、小型の4人乗りの飛行機に3時間乗り舗装されていない滑走路に降りて、舗装されていない道を走り、家に到着した際のくだりが、個人的に好きw

当時のルワンダは植民地支配から、独立国家として歩みだしたばかり。アフリカの旧植民地は第二次世界大戦後に宗主国が財政的負担を負い切れない結果“与えられた独立”をさせられた経緯があるようだ。特段、独立運動があったわけでもない。植民地側に強い不満があったわけでもない。宗主国側の都合で、準備が整わないまま独立した。その結果、宗主国優位な状況で、アフリカ諸国の発展が阻害された歴史的な背景があるようだ。

ルワンダといえば、1994年の「ルワンダ虐殺」と2000年以降の「アフリカの奇跡」と呼ばれる経済発展。「ルワンダ虐殺」について、服部氏の増補が記載されている。また、大西義久氏の増補もあって、ここで全体をなんとなく理解できた笑。

ルワンダはカガメ大統領のリーダーシップで成長を続けているが、実際、カガメ大統領がなぜ大統領なのかというとその背景には「ルワンダ虐殺」が関係していることが読み取れる。カガメ大統領はルワンダ虐殺後に副大統領になり2000年に大統領に就任。憲法改正を経て2034年まで大統領に留まることが可能になった。現在64歳。その手腕が評価される一方で独裁者と呼ばれてもいると。

なるほど。
 


やる気も実力もない外国人に実質支配されていたアフリカの小国「ルワンダ」。この国でルワンダ人の話を聞き、現地の人達のやる気を引き出す仕組みをつくり、6年間でルワンダ人から絶大な信頼を得て、発展に大きく貢献した服部正也氏の著書『ルワンダ中央銀行総裁日記』おすすめです!