日本人の大半の人が暮らしているのは、都市部。首都圏の人口は4000万人超、三大都市圏人口は6600万人だから日本人の半分以上が結構な都会に住んでいる。けど、国土の3分の2は森林だから、大半は「山奥」なのだ。

そんな“山奥”の可能性について書かれているのが『山奥ビジネス』

1671779251984

山奥ビジネス (新潮新書)
藻谷 ゆかり
2022-10-15


全国の7つの地域の事例について紹介されていた。石川でジェラートづくりをはじめてイタリアで世界一に輝いた人、熊本で地震に負けず日本酒で盛り上げている人、北海道の過疎地域で人気のパン屋をする人、石見銀山のアパレルブランド、新潟の大地の芸術祭と女子サッカーチームとクラフトビール、北海道での写真のまちと新たな酒蔵、山梨県の村全体がホテルなど。

北海道の東川町は、昭和の終わりから「写真の町」としてまちおこしをやってきてるそう。いまでこそ“映える”がキーワードになっているけど、それを30年以上前からサキドリしてきた。しかも、高校生の写真甲子園を開催して、高校生の旅費や宿泊費も協賛やらで賄いながら20年以上やってきているというから尋常じゃない。しかも、まちの人口増加中なのだ。岐阜県の中津川市にあった酒蔵が北海道に移転した。それが、東川町なのだ。まちをあげて迎い入れて生産量が2倍以上になっていという。

“山奥”でのワクワクするような事例が紹介されていた。そこにあるのは、やる人の想いかな。やる気かな。地元の人が新しくはじめたことより、地元に戻ってきた、あたらしく地域の仲間入りした人が活躍している姿が多かったかな。

日本の基軸産業が儲けられなくなる中で、注目は「観光」。インバンウンドで世界から日本の田舎に旅行に訪れる人がどんどん増えていくはず。そうした人たちに、来てもらえる「一流の田舎」になることが必要だと。なるほど。