何冊目かの河合雅司さんの本。『未来のドリル コロナが見せた日本の弱点』をAudibleで聴きました。

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ドリル形式で、人口問題を取り上げている本書。まあ、Audibleなので、章のはじめに問題を読まれて、途中に答えがあるというものだった。連続して何冊か聴いているので、個人的には“復習”要素が強めか。ただ、本書はコロナ禍で書かれた本なので、コロナに関して日本がどう変わったのかについても著述されたいる。

コロナが時計の針をはやめたということだろうか?

東日本大震災で東北の被災地の人口の増減があったけれど、現地を訪れた際に感じたのは、“これは十数年後、数十年後の地方の姿”という想いだった。特に原発事故の現場からそれほど離れていない地域は特に印象的だった。人がいなくなった街。道沿いにある伸びきった草木。電車が走らなくなった線路。空き家ばかりの街の姿…。人が住まなくなった街というのは、こういう姿になるのかと思い知らされた。

一方で、コロナ禍でも、都心の人口は一時的には転出増になったが、実際には神奈川、埼玉、千葉への流出。テレワークが広まり、広めの家に移り住んだことが大きい。一歩で都心でもコロナ禍で業績をあげた企業の関係者は都心の便利で職場に近い場所に移り住んだりもした。そして、地方からは人が減った。特に女性が減った。女性の仕事はコロナ禍で男性よりも減った。そのため、都心に移動したのだという。大阪府には周辺の府県からの流入が増えたと。いずれにしても都市部への人の流れはコロナ禍でもかわらなかった。さらに、東京都としては転出が増えても東京圏の人口はむしろ増加した。が、東京でも数年後には人口減少に転じる。

更に、深刻なのは出生数。コロナ禍での出生数は、以前の予想を大きく下回った。出会いの機会がないこともあるなもしれない。コロナ禍で様々な制限がかかれば出産や育児に対する不安も高まる。そうなれば、出生数は減る。出生数が減ればされに日本の全人口も労働生産人口も減る…。コロナ禍で、日本の少子化を早めたというのだ。

なるほど。

筆者は、若者の議員の枠をつくったり、親に子の数分の票を増やしたり、若者だけの“ユースシティ”をつくったりしたらどうかと提案している。“ユースシティ”については、ググったところ他には誰も意見していないので、まぁそういうことなのだろう。選挙についても、これは実現できないというのをどこかで、見たか聴いた覚えがある。まあ、そりゃそうだ。

コロナで“若者が悪い”感が凄くあった。若者がコロナを広めているとか…。実際にコロナで重症化するのは高齢者。高齢者の命を守るために若者の行動を抑制することが、経済社会のためには全くなっていないし、コロナを理由に高校野球大会を中止したら、そりゃ高校生の貴重な時間を奪っているわけで、キャンパスにもいけないみたいなね。そうやって、社会が老化すると、こうなるんだと。たしかに、“若い国”はこんなことやってないでな。やってんのは、日本と韓国と、あと中国…。とか。あ、高齢化社会…。

ということで、日本はヤバいという本でした。