リチャード・セイラーさんの『行動経済学の逆襲(下)』をAudibleで聴きました!


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行動経済学の逆襲 下 (ハヤカワ文庫NF)
リチャード セイラ―
早川書房
2019-10-17


(上)に続いての(下)です。

以下は、メモをもとにGPTにまとめてもらいました。

リチャード・セイラーの著書『行動経済学の逆襲(下)』は、私たちがいかにして日常的に非合理的な判断をしがちなのかを明らかにし、その心理メカニズムを解説しています。以下に、印象的なポイントをいくつかご紹介します。

1. 年イチでポートフォリオを見よう
ポートフォリオを頻繁にチェックすることは、一見すると良い投資管理のように思えます。しかし、セイラーは「年に一度」確認するのが望ましいとしています。なぜなら、毎日株価を見ていると損失への不安が増し「損失回避」の心理が働きやすくなるためです。株式市場の値動きに過剰に反応することで、冷静な長期的判断ができなくなってしまうリスクがあるのです。

2. 株式市場は「美人投票」
株式市場は「美人投票」のようだとセイラーは語ります。この言葉はケインズからの引用で、誰が「真に美しいか」ではなく、「みんなが誰を美人だと思うか」によって投票結果が決まることを意味します。投資家も、自身の見解ではなく他人がどう考えるかを気にしがちで、これが市場の不安定性や過剰反応を引き起こす要因の一つとされています。結局、ロの投資家でも市場平均に勝つのは難しいとされています。

3. 保有効果 ― 一度手にしたものは手放したくない
保有効果とは、一度所有したものに対して特別な愛着を感じ、価値が高まってしまう心理的効果のことです。たとえば、たかがマグカップであっても、所有すると手放しにくくなるのです。この効果は不動産や株などの資産だけでなく、身近な物にも影響し、不要な物を手放す難しさにつながります。

4. 数字の魔力に惑わされる
人は、数値が表示されていると無意識に影響を受けてしまいます。割引表示やセール価格に目が引かれるのも、この「数字の魔力」によるものです。セイラーは、経済活動において数字がいかに人の判断を左右し、しばしば非合理的な行動を促しているかを指摘しています。

5. ドラフトの幻想と「勝者の呪い」
スポーツのドラフト会議などで、上位指名の価値が過大評価されがちであるとセイラーは述べています。これには「勝者の呪い」も関係しており、人気のあるプレイヤーやアイテムに対する競争心が過度な期待と過信を生むのです。また、毎年スター選手が現れると期待する「現在バイアス」により、過去の実績に囚われがちで、サンクコスト(すでに費やしたコスト)に縛られて合理的な判断が難しくなることも指摘されています。

6. 人は「今」に囚われる ― 現在バイアス
未来の利益よりも今すぐの利益や快楽を優先する「現在バイアス」は、日常生活でも頻繁に見られます。たとえば、健康や財政のために長期的な利益を見据えた行動をしようと考えても、誘惑に負けて短期的な選択をしてしまうことがあるでしょう。セイラーは、このような「今」に囚われる心の働きがどのように非合理的な行動につながるかを解説しています。

まとめ
リチャード・セイラーの『行動経済学の逆襲(下)』は、行動経済学の視点から私たちの「合理的でない行動」を見つめ直す貴重な洞察を提供しています。私たちが無意識に陥りがちな損失回避や現在バイアス、保有効果などを理解することで、日々の意思決定が少しでも冷静に、そして合理的に行えるようになるかもしれません。この本を通じて、自分の行動パターンを見直してみるのも良い機会ではないでしょうか?