
あの、“カレー”と“ナン”のインドカレー店は、なぜ日本のどこにでもあるのか?しかも、なんと、やっているのはネパール人。
「インド・ネパール料理店」を通称「インネパ」と呼ぶらしい。そのインネパは、「ネパール人経営のインド料理店」だ。
あちらこちらにある、「インド料理店」。インド人がやっているのかと思いきや、店内にはネパール国旗とヒマラヤ山脈の写真。メニューの主役は「バターチキンカレー」と「ナン」。最近は、「チーズナン」や「ハニーナン」が人気とか。「タンドリーチキン」も定番。経営がうまくいっているのかどうか分からないけれど、お店はどんどん増えていく。なんやら、支店もあるらしい…。お昼はランチ。夜はお酒も出して飲み屋にもなる。そんなインネパの実態に迫ったルポ。
「インド料理店」といっても、インド人のお店ではない。
日本にいるネパール人は15万人。ちなみに、インド人は4万人
例えば、名古屋市の「インド料理店」は筆者調べで264軒だが、インド人のお店は4軒だという。ほかの、260軒と大半がネパール人経営。
インネパのインドカレー店は、イメージとしては、“中国人がやっているカルフォルニアロールのお店”。
あの、ナンやカレーが日本人にウケているから、メニューに出ているのであって、あの味、あのナンは、インド人もネパール人も現地では食べていない。だから、賄いでは食べない。日本で独自の進化を遂げた結果。
インド料理店は、どこに行っても、なんか同じようなメニューや内装なのは、みんな“失敗したくない”から。ネパールからコックとして日本きて、コックとして働いたところの味やメニューそのままに出店している人が多いという。そのため、同じようなところに出店したり、日本語もあまりできないままに突き進むので、お客さんとコミュニケーションできずに改善されずにそのままだったり…。
もちろん、人気のカレー屋もあるけれど、そうじゃないところ。儲けているところもあるけれど、なんとかやっているところが大半だという。そんなんだから、コックの給料も安い。ネパールから家族を呼んで奥さんに働いてもらってなんとかやっている人も多いとか。
なかなか、興味深い話がてんこ盛りでした。面白かった。日本中にあるインド料理店の裏側を知れたような感じ。
ちなみに、日本に爆発的にネパール人のインド料理店が増えたきっかけの一つが、愛知万博でのネパール館のカレーだったそう。ネパール館のコックさんは、いまでも一宮でお店をやられているそう。行かねば。